こんにちは。Noiseです。
Noiseはメーカー勤務でEMCエンジニアとして勤務しています。
今回は、電気機器に欠かせない電磁波干渉（EMI）を抑制するためのEMCフィルタについて解説します。
EMCフィルタは、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドストップフィルタの4種類があり、それぞれ異なる周波数帯域のノイズをカットするために使用されます。
本記事では、EMCフィルタの基礎知識や使い方、それぞれの種類について詳しく解説していきます。
ノイズ対策の基本であるフィルタリングについて解説していきます！
EMCノイズの対策についてはこちらの記事で！
この記事を読むとわかること。
- EMCフィルターの概要や基礎知識について理解できる。
- ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドストップフィルタの4つのEMCフィルターの種類と使い方について詳しく学べる。
- 電気機器におけるEMCフィルタの重要性や役割、適切な設置方法について理解できる。
最後まで読んでいただけますと幸いです。
EMCフィルタの概要と役割
EMCフィルタは、電磁波干渉（EMI）を抑制するフィルターの一種で、電気機器においてノイズの混入を防止するために使用されます。
EMCフィルタは、機器の電源線や信号線に設置され、電磁波の帯域内で発生するノイズを減衰させます。
今回はその中で４つの種類のフィルタについて解説します。
ハイパスフィルタとは？
ハイパスフィルタは、低周波数成分をカットし、高周波数成分を通すフィルターのことです。
代表的な回路と減衰特性はこちら↓
グラフの見方は、横軸を周波数、縦軸を減衰特性(dB)で表しています。
ｄBについては下記の記事でまとめています。
減衰特性なのでマイナスに向かうほど、信号が減衰しているとなります。
この回路は150kHzをカットオフ周波数(3dB減衰する周波数)とし、150kHz以下の周波数をカットするような回路になっています。
Cが直列に入っているから低周波をカット＝ハイパス（高周波をパス）しているっていう意味ですね！
回路とグラフを作成している回路シミュレータの使い方は以下の記事にまとめています。
ローパスフィルタとは？
ローパスフィルタは、高周波数成分をカットし、低周波数成分を通すフィルターのことです。
代表的な回路と減衰特性はこちら↓
グラフの見方は、横軸を周波数、縦軸を減衰特性(dB)で表しています。
減衰特性なのでマイナスに向かうほど、信号が減衰しているとなります。
この回路は150kHzをカットオフ周波数(3dB減衰する周波数)とし、150kHz以上の周波数をカットするような回路になっています。
Lが直列に入っているから高周波をカット＝ローパス（低周波をパス）しているっていう意味ですね！
代表的なものとしてLISNがあります。
LISNについてはこちらの記事から
バンドパスフィルタとは？
バンドパスフィルタは、特定の周波数帯域を通すフィルターのことです。
代表的な回路と減衰特性はこちら↓
こちらは800MHzのみを通すような回路になっています。
ハイパスフィルタとローパスフィルタを組み合わせた形の回路構成になっていますね。
バンドパスフィルタは、必要な信号を通し、不要なノイズをカットするために使用されます。
バンドストップフィルタとは？
バンドストップフィルタは、特定の周波数帯域をカットするフィルターのことです。
代表的な回路と減衰特性はこちら↓
こちらは800MHzのみを減衰するような回路になっています。
こちらもハイパスフィルタとローパスフィルタを組み合わせた形の回路構成になっていますね。
バンドストップフィルタは、特定の周波数帯域で発生するノイズをカットするために使用されます。
EMCフィルタの使い方
EMCフィルタは、電気機器の電源線や信号線に直接設置されます。
具体的には、コンセントの差込口や電源タップ、配電盤などに設置されます。
また、設置する場所やカットしたい周波数によって、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドストップフィルタのどれを使用するかを選択する必要があります。
まとめ
今回はEMCフィルタについての記事をまとめました。
EMCフィルタは、電気機器の電源線や信号線に設置され、電磁波干渉を抑制するために使用されます。
またハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドストップフィルタの4種類があり、それぞれ異なる周波数帯域のノイズをカットするために使用されます。
EMCフィルタを適切に設置することで、電気機器の動作安定性を確保し、ノイズの影響を最小限に抑えることができます。
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以上です。
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