こんにちは。Noiseです。
Noiseはメーカー勤務でEMCエンジニアとして勤務しています。
本記事では、iNARTEが提供するEMCエンジニアについて解説します。
iNARTEは、電気・電子・通信・情報技術に関する資格・認定団体であり、EMCエンジニア資格を持つことは、技術者やエンジニアにとってキャリアアップにつながる重要な要素となります。
記事内では、EMCエンジニアの役割や取得方法、求められるスキルや経験について解説します。
この記事を読むとわかること。
- iNARTEは、EMCエンジニア資格を提供する資格・認定団体
- EMCエンジニアの役割や取得方法、求められるスキルや経験について
- EMCエンジニア資格は、技術者やエンジニアにとってキャリアアップにつながる重要な要素
最後まで読んでいただけると幸いです。
- iNARTEとは何か?
- iNARTE EMCエンジニアとはどのような資格か?
- iNARTE EMCエンジニアの役割
- 資格制度について
- EMCエンジニアになるには?
- 受験資格
- 出題カテゴリー
- 資格取得者が所属している企業一覧
- 合格率
- 資格取得のメリット
- まとめ
- 【資格取得で参考となる本を紹介】
iNARTEとは何か?
iNARTE(International Association for Radio, Telecommunications, and Electromagnetics, Inc.)は、電気・電子・通信・情報技術に関する資格・認定団体であり、米国の非営利団体です。
iNARTEは、エレクトロニクス、電気工学、電磁気学、無線通信、および関連する分野での技術的な能力を証明する国際的に認められた資格を提供しています。
1982年に設立され、現在は世界中で認知度が高く、多くの業界で信頼されている団体です。
EMC、ESD、および無線通信技術に関連するいくつかの資格を提供しています。
これらの資格は、エンジニアや技術者にとって、職務上の能力を高め、キャリアの発展に役立つものとなっています。
無線技術や電磁気学に精通した資格ってことですね~~
iNARTE EMCエンジニアとはどのような資格か?
iNARTE EMCエンジニア資格は、電磁環境(EM)に関する問題に対処する能力を持った技術者の認定資格です。
EMCエンジニアは、電気・電子機器やシステムが他の電気・電子機器やシステムに影響を与えないように設計・開発するための専門的な知識とスキルを持ちます。
また、EMCに関する測定や評価、問題解決能力も求められます。
EMCエンジニア資格は、iNARTEによって提供される資格の中でも最も高度なレベルで、その難易度と認知度から、世界中で高い信頼性を持つ資格の一つとされています。
iNARTE EMCエンジニアの役割
iNARTE EMCエンジニアは、
- 電気・電子機器のEMC対応設計や評価
- トラブルシューティング
- 研究・開発
- 顧客へのコンサルティング
を担当する技術者です。
EMCに関する幅広いスキルと知識を持ち、様々な分野で活躍することができます。
資格制度について
日本での資格取得は、【一般社団法人KEC関西電子工業振興センター】が請け負って資格試験を代行しています。
詳細を下記一般社団法人KEC関西電子工業振興センターの公式サイトより引用します。
iNARTE-EMC Engineer/Technician資格
米国の非営利団体であるiNARTE(The International Association for Radio, Telecommunications and Electromagnetics)が、1988年に創設したEMCの技術、スキルを認証するグローバルな技術資格です。
KECでは1998年にiNARTEと提携し、同年に “iNARTE EMC Engineer(技術者)”、そして2001年には “iNARTE EMC Technician(技能者)”の資格制度を日本に導入し、講習会の開催から、試験の実施まで、資格取得に向けた支援を行っています。
iNARTE資格を取得することはEMCの知識・能力の客観的な証明と判断に有用であることから、KECでは「渡米することなく 日本国内にて、日本語で受験ができる資格」として推進しています。
2020年、日本での資格者数が1,200名を突破しました。
グローバルな技術資格であるため、英語の能力さえあれば、世界中で活躍できます。
EMCエンジニアになるには?
EMCエンジニアになるには資格試験に合格しなければなりません。
試験は50問の問題を4時間で解答します。
長丁場の試験ですね。
方式は3~5択のマークシート方式で、100点満点中70点以上で合格となります。
この資格試験で変わっているところは、オープンブック方式なところです。
オープンブック方式では試験に参考書やパソコンの持ち込みが可能です。(ただしインターネットの接続は禁止)
→2021年より、パソコン資料のの持ち込みも禁止になりました。。
一気にレベルアップしましたね、、
暗記力を試す目的ではなく、現場での問題解決能力、判断能力を試す資格であり、より実践的な能力を持っていないと受かることは難しいです。
私もPCと規格書をもって受験しました。当日はなかなか大荷物で受験し、移動が大変でした。
受験資格
受験するには三つ条件が必要です。
- EMC業務に従事していること
- EMC業務の経験年数が3年以上であること(エンジニアの場合)
- 3人の推薦が必要
知識だけではなく経験も必要な資格であることがわかります。
またiNARTE EMC資格には2種類の資格があります。
- iNARTE EMC エンジニア
- iNARTE EMC テクニシャン
Noiseは1. のエンジニア資格を保有しています。
出題カテゴリー
試験に出題されるカテゴリーは以下になります。(一般社団法人KEC関西電子工業振興センターサイトより引用)
出題範囲が多いので勉強するには苦労しました。
https://www.kec.jp/wp/img/committee/2020/narte_emc20.pdf
資格取得者が所属している企業一覧
やはり主要な電子機器メーカーには多くにエンジニアが在籍しています。
またEMC試験メーカーにも多く在籍しています。
今後の電動化、デジタル化の流れより、さらに資格保有者は増えていきそうですね。
(一般社団法人KEC関西電子工業振興センターサイトより引用)
https://www.kec.jp/wp/img/committee/2020/narte_emc20.pdf
合格率
合格率は毎年30%を切っているので難解な資格ということがわかります。
資格取得のメリット
資格取得のメリットは以下になります
- 資格取得者の取得する測定データは信頼性を得ることができる
- お客さんから資格取得者の有無の問い合わせがある(実際にありました)
- 会社としては高度なレベルのEMC技術者養成の判断に用いることができる
- 資格取得すると慰労金がもらえる会社もある(Noiseの会社はくれました)
- 社内では専門家として重宝される
- EMC業界内では転職に困らない
今後の電動化、デジタル化、5G化が進む昨今の電子機器開発においては必須な資格であると考えています。
まとめ
EMCエンジニア資格について紹介しました。
まとめとしては
- EMCエンジニアは電磁波の専門家
- iNARTE EMC エンジニアという米国の資格
- 資格取得には受験が必要だが難解
- 今後の電動化、デジタル化、5G化では重要な資格
以上です。
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