こんにちは。Noiseです。
Noiseはメーカー勤務でEMCエンジニアとして勤務しています。
今回はiNARTEの問題でも多々出題される、微小ダイポールについて書いていきます。
この記事は無線通信やアンテナ設計などの応用分野において重要な概念である微小ダイポールと遠方界に焦点を当てます。
微小ダイポールとは何か
遠方界とはどのような領域を指すのか
そして遠方界における微小ダイポールの電界強度を求めるための式
について詳しく解説します。
電磁気学や通信工学の基礎として役立つこのトピックについて、深く理解しましょう。
とっつきにくい内容ではあるため、とりあえずニュアンスから理解するといいと思います!
この記事を読むとわかること。
- 微小ダイポールは、非常に小さなスケールで扱われる電場のモデルであり、電荷が非常に小さく、離れている2つの電荷が互いに接近している場合に使用されます。
- 遠方界では、微小ダイポールから放射された電磁波が平面波として振る舞うため、計算が単純化されます。遠方界における微小ダイポールの電界強度は、E=30Idk/Rの式を用いて近似的に求めることができます。
- E=30Idk/Rの式は、微小ダイポールの電流、長さ、誘電率、観測点までの距離に依存しており、遠方界における微小ダイポールの電界強度を推定するための便利な方法として使用されます。この式は、無線通信やアンテナ設計などの応用分野で広く活用されています。
最後まで読んでいただけますと幸いです。
微小ダイポールとは何か?
微小ダイポールとは、電荷が非常に小さく、かつ十分に離れている2つの電荷が互いに接近している場合における電場の性質を表現するモデルです。
・・・・・
難しいですね。
とりあえず読んで字のごとく通常のダイポールアンテナを微小にしたモデルということですw
ダイポールアンテナは同軸線の芯線と外皮を同じ長さで180°伸ばしたモデルでしたね!
これは、実際の物理的なダイポールよりも非常に小さなスケールで扱われます。
遠方界とは何か?
遠方界とは、微小ダイポールから十分に離れた領域のことを指します。
この領域では、ダイポールから放射された電磁波が平面波として振る舞うため、計算が単純化されます。
遠方界については以下の記事でまとめていますのでご参考にどうぞ!
遠方界における微小ダイポールの電界強度の求め方
遠方界における微小ダイポールの電界強度(E)は、次の式で求めることができます。
ここで、
I:ダイポールに入る電流(A)
d:ダイポールの長さ(m)
k:波数 k = 2π/λ
R:観測点からダイポールまでの距離(m)
で計算可能です。
波数kについては以下の記事でまとめています!
この式でわかることは、電界強度は微小ダイポールの電流に比例し、ダイポールの長さと観測点までの距離に反比例します。
電流が大きくなるほど電界強度も大きくなりますが、ダイポールからの距離が遠いほど電界強度は減少します。
E=30Idk/Rの式の意味と説明
E=30Idk/Rの式は、遠方界における微小ダイポールの電界強度を計算するための近似式です。
この式は、微小ダイポールの電流(I)、長さ(d)、波数(k)、観測点までの距離(R)に依存しています。
30Idkという項は、電流、長さ、波数の相乗積を表しており、電場の大ききさを表しています。
Rで割ることによって、距離の効果を考慮しています。
この式は、遠方界における微小ダイポールの電界強度を推定するための簡便な方法として使われます。
遠方界では、ダイポールから放射される電磁波が平面波として振る舞うため、距離が非常に大きい場合でも電界強度を近似的に求めることができます。
まとめと応用例
遠方界における微小ダイポールの電界強度は、E = 30Idk/Rの式を用いて求めることができます。
この式は、微小ダイポールの電流、長さ、波数、観測点までの距離に依存しています。
この式は、無線通信やアンテナ設計などの応用分野で広く使用されています。
例えば、アンテナの電界強度を推定するために微小ダイポールモデルが使用されます。また、電磁波の放射パターンや指向性の解析にも活用されます。
微小ダイポールと遠方界に関する理解は、電磁気学や通信工学の基礎として重要です。
このモデルと式を理解することで、電界強度の計算やアンテナの特性予測などの応用に役立つ知識を得ることができます。
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以上です。
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