こんにちは。Noiseです。
Noiseはメーカー勤務でEMCエンジニアとして勤務しています。
今回はEMC試験の種類について解説します。
この記事を読むとわかること。
- EMC試験の種類について
- EMC試験の分類方法について
最後まで読んでいただけると幸いです。
過去記事では【そもそもEMCって何?】について投稿していますので是非ご確認ください。
EMC試験とは
EMC試験とは、前回の記事で書いた、
EMC=【電磁両立性】を評価する試験です。
試験には大まかに
- エミッション=外部にノイズを出さない。
- イミュニティ=ノイズを受けても誤動作しない
ということを解説しました。
今回はどんな試験の種類があるかについて解説していきます。
EMC試験の種類
EMC試験の種類はざっと以下になります。
大まかに分けるとエミッションで3種類、イミュニティで3種類なので全部6種類ですね。
内容もエミッションとイミュニティで言葉が違うだけで、伝導、輻射&照射、磁界の3種類なので覚えるのも簡単です。
一つずつ見ていきましょう。
伝導イミュニティ(EMS)
伝導イミュニティは文字通り、電線やハーネスなどを経由してノイズが伝搬し、製品にノイズを注入する試験を言います。
よく車載系の試験で一番メジャーなBCI試験がこの分類に入りますね。
試験としては電流プローブ(カレントプローブ)などにハーネスをクランプして、ハーネスに電磁誘導させ、ノイズを注入します。
照射イミュニティ(EMS)
照射イミュニティは電界アンテナを使用して、製品や製品を接続しているハーネスなどに直接電磁波を照射する試験をいいます。
皆さんが一般的に電磁波の試験を想像するときにには、この試験方法を予想される方が多いのではないでしょうか?
磁界イミュニティ(EMS)
磁界イミュニティは照射イミュニティと似ていますが、アンテナが電界アンテナか、磁界アンテナかによって違いがあります。
電界アンテナは電界が支配的なアンテナ、磁界アンテナは磁界が支配的なアンテナです。
よってこの試験は磁界を照射する試験となります。
伝導エミッション(EMI)
エミッションでは試験としての構成はほとんどイミュニティと変わりません。
使用するプローブも似たようなものを使用します。
違うのはプローブのつながり先で、エミッションの場合は計測器(スペクトラムアナライザーやEMIレシーバー)に接続することとなります。
輻射エミッション(EMI)
輻射エミッションも照射イミュニティと同じ構成で、アンテナから受信したノイズ電圧を計測器で測定します。
製品から放射されているノイズを測定するイメージですね。
磁界エミッション(EMI)
磁界エミッションも磁界イミュニティ同様、ループアンテナに誘起したノイズ電圧を、計測器で測定するイメージです。
まとめ
今回はEMC試験の大まかな分類と試験方法の概要について解説しました。
全部で6種類の試験方法があるんだなーくらいの認識で大丈夫です。
今後の記事ではもう少し細かなところなどを解説した記事を投稿していこうと思います。
以上です。
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