EMCエンジニアの休日

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初心者でもわかる!インピーダンス標記の直角座標と極座標の変換方法

こんにちは。Noiseです。

Noiseはメーカー勤務でEMCエンジニアとして勤務しています。

 

本記事では、電気回路において重要な概念であるインピーダンス標記について、その基本形式である直角座標形式と極座標形式について解説します。

 

EMCエンジニアが最初にぶち当たる壁ですね、、w

ぜひ、インピーダンス標記について理解を深めるための参考にしてください。

 

この記事を読むとわかること。

  • インピーダンス標記の基本的な概念と、直角座標形式と極座標形式について
  • 直角座標形式から極座標形式、極座標形式から直角座標形式に変換する方法
  • 回路設計や信号処理に応用できる基礎知識を身につけることができる

最後まで読んでいただけると幸いです。

 

 

インピーダンス標記について

インピーダンスとは

インピーダンスとは、電気回路における交流回路の特性を表す量で、抵抗・コイル・コンデンサなどの素子を含めた総合的な抵抗値のことを指します。

 

直流回路とは異なり、交流回路では電流の周波数によって抵抗値が変化するため、電気回路の性質を正確に評価するためにはインピーダンスを考慮する必要があります。

 

標記について

インピーダンス標記には、直角座標形式極座標形式の2つの表記方法があります。

 

直角座標形式

直角座標形式は、実数部と虚数部からなる複素数で表され、抵抗成分とリアクタンス成分を分けて表現することができます。

 

 

直角座標標記の例:Z = 3 + j4

実数部(抵抗成分):3
虚数部(リアクタンス成分):4

 

極座標形式

一方、極座標形式は、大きさと位相角で表されるため、インピーダンスの特性をより直感的に把握することができます。

 

極座標形式では、大きさは抵抗成分とリアクタンス成分の平方和の平方根で表され、位相角はリアクタンス成分と抵抗成分の比から求められます。

 

極座標標記の例:Z = 5 ∠ 53.13°

大きさ:5
位相角:53.13°

 

インピーダンス標記の直角座標形式と極座標形式の変換方法を理解することで、電気回路の解析や設計において有用な情報を得ることができます。

 

直角座標と極座標の基礎概念

直角座標系と極座標系は、平面直角座標系における座標表現方法の2つです。

 

直角座標系は、x軸とy軸に垂直な線分を用いて点の位置を表現します。

こんなイメージです。

 

 

 

一方、極座標系は、原点から点までの距離(半径)とx軸からの角度(位相角)によって点の位置を表現します。

こんなイメージです。

 

直角座標系は、x軸とy軸に平行な線分を用いた直線的な計算が得意なのに対し、極座標系は円周上での計算が得意なため、それぞれの場面で使い分けが必要です。

 

直角座標のインピーダンス

直角座標形式におけるインピーダンスは、実数部と虚数部からなる複素数で表されます。

 

実数部は抵抗成分、虚数部はリアクタンス成分を表し、インピーダンスは以下のように表記されます。

 

Z = R + jX

 

ここで、Zはインピーダンス、Rは抵抗成分、Xはリアクタンス成分を表します。

 

極座標インピーダンス


極座標形式におけるインピーダンスは、大きさと位相角で表されます。

 

大きさは抵抗成分とリアクタンス成分の平方和の平方根で表され、位相角はリアクタンス成分と抵抗成分の比から求められます。

 

インピーダンスは以下のように表記されます。

 

Z = |Z| ∠ θ

 

ここで、Zはインピーダンス、|Z|は大きさ、θは位相角を表します。

 

直角座標から極座標への変換方法


直角座標形式から極座標形式に変換するには、以下の式を用います。

 

|Z| = √(R^2 + X^2)
θ = tan^(-1)(X/R)

 

ここで、|Z|は大きさ、θは位相角、Rは抵抗成分、Xはリアクタンス成分を表します。

 

まず、大きさ|Z|は抵抗成分とリアクタンス成分の平方和の平方根で求めます。

次に、位相角はリアクタンス成分と抵抗成分の比から求めます。

(ただし、tan^(-1)は逆正接関数を表します。)

 

例えば、直角座標形式で以下のように表されたインピーダンスZを極座標形式に変換する場合を考えます。

 

Z = 3 + j4

 

まず、大きさ|Z|は以下のように求められます。

 

|Z| = √(3^2 + 4^2) = √25 = 5

 

次に、位相角θは以下のように求められます。

 

θ = tan^(-1)(4/3) ≒ 53.13°

 

よって、インピーダンスZは極座標形式で以下のように表されます。

 

Z = 5 ∠ 53.13°

 

極座標から直角座標への変換方法


極座標形式から直角座標形式に変換するには、以下の式を用います。

 

R = |Z| cos(θ)
X = |Z| sin(θ)

 

ここで、Rは抵抗成分、Xはリアクタンス成分、|Z|は大きさ、θは位相角を表します。

 

例えば、極座標形式で以下のように表されたインピーダンスZを直角座標形式に変換する場合を考えます。

 

Z = 5 ∠ 53.13°

 

まず、抵抗成分Rは以下のように求められます。

 

R = 5 cos(53.13°) ≒ 3

 

次に、リアクタンス成分Xは以下のように求められます。

 

X = 5 sin(53.13°) ≒ 4

 

よって、インピーダンスZは直角座標形式で以下のように表されます。

 

Z = 3 + j4

 

まとめと応用例


この記事では、インピーダンス標記について説明し、直角座標形式と極座標形式について詳しく説明しました。

 

また、直角座標形式から極座標形式、極座標形式から直角座標形式への変換方法についても詳しく説明し、具体的な計算例を示しました。

 

インピーダンス標記は電気回路において非常に重要であり、特に交流回路においては不可欠な概念です。

 

よくインピーダンス接触抵抗を間違えて理解している方もいるので注意が必要ですね。

 

ここまで記事をご覧になってくださっている方には言わずもがなですが、インピーダンスは位相成分も含んでいるので、本来であれば何Ωとだけでは言い合わらせないのです。

 

必ず周波数と位相がインピーダンスには定義されているので、よく理論を理解してから使うようにしましょう!

 

最後に例題です。

 

【例題】


以下のインピーダンス極座標形式と直角座標形式で表してください。

Z = 50 + j35

 

 

 

 

【解答】
極座標形式で表すと、Z = 61 ∠35°となります。
直角座標形式で表すと、Z = 50+ j35となります。

 

 

以上です。

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